データ名
 真空チャックによるクランプ歪とビビリ防止
概要
 このワークはR4のボールエンドミル加工後の残り板厚が0.5mmと薄くなるため、バイス・押さえクランプではクランプ歪が入り、面粗さ・加工精度を満足させることが難しいため、真空チャックを使用した。
 加工数 8枚/スポット
ポイント
 クランプ歪・ビビリ・加工歪・加工精度を真空チャックにより解決・A5052
結果
 クランプ歪・加工歪・ビビリも全く無く加工終了、加工精度は板厚方向のバラツキは5μ以下で加工が出来た。
解説
 当社では、薄物・形状が複雑な物には接着剤・ボンドなども使用しているが、前処理・後処理に時間が掛かるのでこのワークには真空チャックで加工を行った。
 このワークの加工工程は、裏面を第一工程として平面切削・深さ4.5
mmまでの輪郭部切削を行い第二工程で表面の残りの加工を行った。取り付けベースは裏面加工と表面加工の二つを使用している。
 真空チャックを使用したとき、ベースとワークがメタルタッチになり板厚方向の浮きが無くなり、ワークの剛性が増し・ビビリ・加工精度は格段に向上しました、結果ボールエンドミルの底からの残り板厚0.5mmの寸法差は5μ以下に仕上がりました。ビビリも全く加工出来た。
 真空チヤックは、作業の技量によりクランプ力が変化することなくワークを均一に押さえられる為、クランプのための技能は必要なくなった。
 使用した工具は一般的に市販されているエンドミル・ボールエンドミル・正面フライスで特殊な物は一切使ってない。
コメント
 真空チャックをフライス・マシニングセンタで使用するときほとんどの場合取り付けベースはワークに合せ専用になっている。
 真空チャックのクランプ力はベースと水平方向に対しては垂直方向のクランプ力の35
%位になる為ベースにはXY方向にストッパーを作っている。
 ベースにはリーク防止用の
Oリング溝と排気性を良くするためにリーク溝を加工している。
 リーク防止にはネオプレンスポンジ丸紐を使用した。又真空ユニットとベース間のラインにはトヨロンホースを使用した。
 今回ベースは、ワークの放熱性を良くするためにアルミで作った。ベースの加工は、ワークを加工する機械で加工をした。
 加工条件は板厚の有るワークと同じ条件で加工している。
  
ベースとワーク