データー名
 真空チャックによるステンレスの大板の平面切削
概要
 この加工はステンレスの板(783×1030t18)両面を切削し板厚を15mm±0.1に仕上げる作業です。
 製作数 4〜6枚/半年
ポイント
 クランプ・ビビリ・加工歪・加工精度を真空チャックにより解決・SUS304
結果
 クランプ・加工歪・ビビリも全く無く加工終了、加工精度は板厚方向のバラツキは20μ以下・平面度は0.15以下に加工が出来た。
解説
 当社では、この様なワークのときは本加工で削られる所にネジ・座グリ穴を加工しておきクランプしたり、外周の仕上げ代にクランプ駒を溶接したり、クランプ溝を加工しておき平面加工後に仕上げなおしをしていた。
 今回はメインを真空チャックで吸着し補助的にM6
ボルト4本を使い止めた。吸着力は約6tになるためかなりの重切削は可能だが、素材がステンレスの為、加工歪が発生するので切り込みは荒削り0.3mm・仕上げ0.2mmで交互に切削を行った、仕上げの回数は荒削り時の歪量により片面当たり14回になった。
 加工歪は初回の片面を切削した後が最大でクランプを解除した時に切削面が凹形になり外周部で34mm有った、その後交互に切削するごとに小さくなっていきましたが歪は切削面が凹形になった、初回の歪は素材の内部応力の片面を開放したために大きく発生したものと思える
、このワークは20枚位加工をしているが発生する歪は現状一定では無かった、これは素材の内部応力の量とカッターの切れ味にバラツキが有るためだと思う、このワークでは残り削り代1mmの時点の歪量で仕上げの回数を判断した。
 ワークには加工穴にM12のネジを加工しておき取り付け、取り外し時アイボルトを使用してワークを吊った。
コメント
 真空チャックをフライス・マシニングセンタで使用するときほとんどの場合、取り付けベースはワークに合せ専用になっている。
 真空チャックのクランプ力はベースと水平方向に対しては、垂直方向のクランプ力の35
%位になるため、今回ベースにはM6のボルト4本をXY方向にストッパーを作っている。
 ベースにはリーク防止用の
Oリング溝と、排気性を良くするためにリーク溝を加工した。
 リーク防止の
Oリングにはネオプレンスポンジ丸紐を使用した。又真空ユニットとベース間のラインには、トヨロンホースを使用した。

ベース・セット・切削・仕上り