データー名
 真空チャックによる旋盤加工
概要
 このワークは単純で外形と板厚を加工するのみだが、外径に比較すると板厚が薄いため面粗さ・加工精度を満足させることが難しいので、真空チャックを使用した。
ポイント
 クランプ・ビビリ・加工歪・加工精度を真空チャックにより解決・A5052
結果
 クランプ・加工歪・ビビリも全く無く加工終了、加工精度は板厚方向のバラツキは10μ以下で加工が出来た。
 製作数 45〜75/2〜3ヶ月
解説
 当社では、この様なワークは先に外形加工しておき三ツ爪チャックに特製の生爪を取り付け、両面テープと併用して取り付け加工をしていた。その時の問題点としてチャック時の歪・両面テープの寸法のバラツキ・加工熱でのワークの膨張歪等があり熟練の必要な作業だった。
 真空チャックに変更したことにより、ベースとワークがメタルタッチになり板厚方向の浮きが無くなりワークの剛性が増しビビリ・加工精度は格段に向上した。
 結果指定寸法の板厚5.5
mmの寸法差は、10μ以下に仕上がったビビリは全く無かった。
 このワークはφ203.5φ305φ406.6の寸法がロット1525枚で流れている。チャックベースは1枚のベースに各寸法に合わせた位置に取り外しの出来るφ6のピンを3本使い位置決めている。
 真空チャックは、作業者によりクランプ力が変化することもなく、又ワークに均一に力が掛かるためクランプのための技能は必要無くなった。
 同様の加工でSUS304
でt0.8A5052でt0.5の実績が有るがこれ以下は実績が無いがSUS304でt0.4A5052でt0.2位までは問題無く可能と思う。
コメント
 真空チャックを旋盤で使用するとき、問題になるのは回転部(主軸)に真空ラインを作らなければならない、市販のアタッチメントが無かった為、市販のロータリージョイントを使い主軸アタッチメント作り対応しました。
 取り付けベースは、ワークに合せ専用になっている。又ベースにはリークの防止用のOリング溝と排気性を良くするためにリーク溝を加工してある。
 リーク防止の
Oリングにはネオプレンスポンジ丸紐を使用した。又真空ユニットとベース間のラインにはトヨロンホースを使用した。
 今回ベースは、ワークの放熱性を良くするためにアルミで作り、ワークを加工する機械で加工をした。
 
加工とロータリージョイント写真